文系女子の愉しみ

仕事がひと段落ついて、息抜きに本を読み、文学の悦楽に浸る午後。「鎌田實の人生図書館」に触発されて、私もこれまでに訪れた文学や芸術や歴史ゆかりの場所について思いを巡らせた。巡らせていると、いろいろと文系魂に火がついて、文章にまとめたくなり、文章にするとブログ記事にも書いておこうという気持ちになったので、今回は日本語のみの独り言の様なブログです。徒然なるままに、自分という人間を形作った要素を拾い集めてきた場所たちを、書き連ねてみた。

1. 川端康成の「伊豆の踊り子」が執筆された伊豆のお宿
2. 金子みすゞの仙崎 漁港から風に乗って、ふわっと届く磯の香り
3. 村上龍の実家 その昔、佐世保でご近所だった
4. いわさきちひろ美術館 東京の上井草駅からとことこ歩いて訪れた
5. 川端康成が「雪国」を執筆した越後湯沢 あのしんしんと積もりゆく雪
6. 留学中の夏目金之助が苦悩を深めた倫敦
7. 「嵐が丘」を書いたエミリー・ブロンテの直筆原稿があった大英図書館
8. 百年前と何一つ変わらぬ様なウェールズの街 ウェールズ語 カーディフ城
9. 高知の桂浜と坂本龍馬記念館 太平洋は果てしなく茫洋としていた
10. 三島由紀夫が書いた、暁の寺として知られるタイ、バンコクの寺院
11. 画家安野光雅の津和野 風光明媚なる土地に長閑な時間が流れゆく
12. カズオ・イシグロが描いた追憶の長崎 稲佐山から見下ろす街並み
13. 村上春樹が通った早稲田大学の構内 キャンパスは男ばかりが目立った
14. 「学問のすゝめ」福沢諭吉の慶応大学の構内 銀杏の葉が色付いていた
15. 内田樹、上野千鶴子、漱石、三島、他多数 知の殿堂たる東大キャンパス
16. 敬愛する大先輩米原万理も学んだ、我らが東京外大西ヶ原キャンパス
17. ドイツ、シュトゥットガルトのベンツ博物館 街が丸ごとベンツだった
18. ビートルズのアビーロード、アビーロードスタジオ(ロンドン)
19. シンガポールの植物園 ラッフルズ総督に想いを馳せる ユネスコ世界遺産
20. ユネスコ文学都市でもあるアイスランドの首都レイキャビーク

コロナ禍にある日々だけれど、心愉しく少々マニアックに。旅行に出かけれない今、これまでに訪れた様々な場所を思い出し、懐かしみ、追憶に浸る。この日々をどう過ごしたか、その生活の記録を残すという意味も込めて、文章を綴る。

マヌカハニーを頂いたので、お湯割りにして飲んでコロナ予防としたり。アロマテラピーを少しばかり独学して、アロマスプレーやアロマオイルを作ったり。冷凍マンゴーを買ってきて、ヨーグルトと牛乳と蜂蜜と一緒にミキサーにかけてマンゴーシェイクを作ったり。北欧っぽい布地でマスクを手縫してみたり。色々と楽しいことはあるのだ。

それと仕事は根を詰めず、意識的にゆったりと心に余裕を持たせてすること。一人でキリキリ舞いになっても仕様があるまい。

飲み物類の充実を図ることは、日々の暮らしの豊かさを底上げしてくれる。毎朝淹れるカフェラテ。珈琲豆の香りが鼻腔をくすぐる刹那の幸福。レディグレイ(オレンジの皮、矢車菊の花入り)のミルクティー、アフリカ原産のルイボスティー、レモングラスジンジャーティー、強発酵の黒烏龍茶、頂いたあまおうの苺ジャムを入れて作るロシアンティー。

気分次第で飲み物を変えながら、本を読む。本はいくらでも読める。こないだ買ってきたのは「文豪たちの悪口本」。罵詈雑言がペンの力で文芸の極みまで高められたものは、滑稽な可笑しみが溢れ出していて、これは芸術でしかない、と思うことしきり。何と言っても、太宰治の悪口名文ときたらたまりません。高校の頃に川端康成、三島由紀夫、堀辰雄、宮沢賢治、谷崎潤一郎、小林秀雄などなど日本近代文学を読み漁り、日本語の愉悦に浸りきった日々が懐かしい。

中でも、太宰の文章に心酔していたことを思い出す。その文体が持つ、ねっとりしながら時として軽やかさを装って絡みついてくる、お囃子の様なリズム感。自己愛と自己嫌悪と自意識過剰とアホ臭さの中にある、一縷の希望の光を読み取っていた頃のことを懐かしむ。太宰の文章は、阿片みたいだと思う。思春期に効く。そして遠くなりし思春期を懐かしみながら、四十路を歩く永遠の文系女子にも、やはり効く。

文学とは本来的に、人間の内へ内へと心を掘り下げてゆく営みを綴った暗いもので、けれどその仄暗さの中から光を求めたものだけが、後世に残る作品へとなってゆく。そしてその営みはそのまま、一人の人間が生きて生涯を全うすると云うことに結びついてゆくのだと思う。

この、内向時間の豊かさよ。

LOVE and PEACE

BENTO LECTURE

Kawabata and Nobel Prize

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